太陽光発電に投資するファンドで長期的に安定した分配金が貰えるとして一部の投資家から支持されてきたインフラファンドですが、カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人の株価下落がとまりません。その理由とインフラファンド全体の特徴と今後の立ち回りを記事にします。
株価急落の理由は?
カナディアンソーラーインフラ投資法人の2024年7月5日終値は93,300円です。2020年12月28日には138,200円をつけていたので32.4%下落しました。
私はコロナ禍にカナディアンソーラー104,200円で仕込んだのですが、それを余裕で下回り年初来安値更新し続けています。
コレはヤバい!!
下落の理由は、明確には分からないものの以下の理由が要因の一つです。
・REITと違いインフレリスクに対応できない
・増資する噂
・固定買取制度FIT終了が近付くにつれて株価が下落?
固定価格で売電できる期間が終了したら売電価格は確実に下がります。
インフラファンドは5銘柄しかない
現在のインフラファンドは5銘柄があります。昔は7銘柄ありましたが、2022~23年に日本再生可能エネルギーインフラ投資法人とタカラレーベン・インフラ投資法人がTOB(株式公開買い付け)が成立し上場廃止になってしまいました。
① いちごグリーンインフラ投資法人
② カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人
③ 東京インフラ・エネルギー投資法人
④ エネクス・インフラ投資法人
⑤ ジャパン・インフラ投資法人
インフラファンドの特徴
REITに似ている
REITと同様に90%配当することによって法人税が免除されるので高配当になっています。
株式市場で売買できる
東証インフラファンド市場に上場していますので株式市場で自由に売買できます。
歴史が浅い
2016年から始まり、まだ8年の歴史です。
現在は太陽光発電にほぼ100%投資しています。
インフラファンドはファンドが直接電気を売電している訳ではなく、「オペレータ」という会社にこれを賃貸しています。
このオペレータが運営をして電気を売っています。
そして電力会社がオペレータから電気を買っています。
オペレータは賃料をインフラファンドに支払うシステムになっています。
この賃料は2階建てになっており
・固定賃料
・変動賃料 実績連動賃料
太陽光に投資しているビジネスモデルですので長期的に安定的な収益が期待できます。
メリット
景気変動を受けにくい
一般的に景気変動の影響を受けにくく、長期に安定した収益を得ることが可能な資産であるといわれています。
土地購入、施設整備、パネル購入、借入れが不要
一般の家庭が太陽光発電投資をしようとするとパネルを買ったり、土地を買ったり、盗難防止のために設備を強化したりする必要はありません。
株価のボラティリティが低い
買取価格がある程度決まっていることや発電量を想定しやすいため分配金が予想しやすいことです。そのため個人投資家は分配金目当ての投資で売買が少なく株価が動きにくい、とされています。(最近は暴落していますが…)
デメリット
固定買取が20年で終わる
電力会社が直接買い取りをしていきます。固定買取の時は比較的安定しましたが、期間終了後はリスクになります。
太陽光パネルの劣化の問題
パネルの寿命は20年で出力が年々落ちてきます。ただ、いきなり使えなくなることはなく、少しずつコスパが下がっていきます。だいたい30年ぐらいは持つといわれています。
インフレに対応できない
REITや現物不動産の場合はインフレが起きた場合、賃料の増額を交渉できますが、インフラファンドの場合は売電価格は固定で決まっているのでインフレで売電価格が実質的に減る可能性はあります。
REITと違い歴史が浅い
インフラファンドはREITと違い、上場して間もないため知り得ないリスクが隠されている可能性も否定できません。投資の原則として「伝統的なところに投資する」ということもありますので、その点リスクになります。
どの銘柄を買ったらいいの?!
そもそも投資対象が5銘柄しかないのですが、ポイントをまとめました。
全国に分散して発電所があり投資されているのが好ましい。
✅借入れ状況を確認する
✅借入れ年数、固定金利か変動金利か確認して安定性を確認する
✅残存する固定買取年数を確認する
今後について
現在、暴落しているインフラファンドですが、配当利回りは8%を超えている投資法人がほとんどです。
投資法人 | 分配金利回り(%) | 株価 |
いちごグリーンインフラ投資法人 | 6.51 | 62,400 |
カナディアン・ソーラー・インフラ法人 | 8.09 | 93,300 |
東京インフラ・エネルギー投資法人 | 8 | 75,300 |
エネクス・インフラ投資法人 | 8.22 | 73,000 |
ジャパン・インフラファンド投資法人 | 8.25 | 73,100 |
※株価は2024年7月5日現在
配当利回りが良いのと、暴落局面はある意味「買い」でもありますので購入を検討してみてもいいかもしれません。
しかし現時点では「落ちるナイフ」になっているので手出しは危険です。
そして、FIT終了後がどうなるかも不透明です。
個人的には全体のポートフォリオの分散という意味で少しだけインフラファンドを買ってみることもアリなのかもしれません。
暴落が終わり、上昇局面で買うかどうか検討されてはどうでしょうか。
この記事を参考にしていただければ幸いです。
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