プロ野球でタイブレークが導入されるのか。面白くなくなる?

日本野球機構(NPB)は7月1日、都内で理事会・実行委員会を開きタイブレーク制度の導入を検討しました。MLBやアマチュア球界は高校、大学、社会人がすでに採用しているタイブレークですが、今後プロ野球でも導入される見込みです。この記事を読めば、タイブレーク制度の歴史をアマ球界やMLBから振り返り、今後のプロ野球のタイブレーク導入について展望が分かります。またタイブレークのメリットとデメリットも記述します。

 

日本プロ野球(NPB)ではタイブレークが導入されるのか。

コリジョンルール、ビデオ判定によるリクエストなどプロ野球はMLBのマネをしていていますので、タイブレークの導入は時間の問題であると考えます。もっともWBC(ワールドベースボールクラシック)などの国際大会がMLBのルールを準拠していますのである意味仕方がないことでもあります。またアマチュア野球では導入済みですのでプロ野球のタイブレークは時代の流れであり、将来的には導入されると考えられます。ただNPBの井原敦事務局長は理事会で「まだ検討を始めた段階です」とし、「まず来季(からの導入)は無理でしょうね。そんなに急いでやる状況に迫られているものでもない」と述べていることから、早ければ2026年から導入されるのではないでしょうか。

タイブレーク制度の歴史

日本のアマチュア野球では高校、大学、社会人を問わずに主催者や大会ごとにタイブレークのルールが違っていて、主に2010~20年頃にかけて新型コロナウイルスの脅威を経て試行錯誤しながら都度ルールの変更が行われていました。現在はある程度、ルールが統一され両チーム同点の場合、延長10回無死一二塁から開始という場合がほとんどです。

高校野球

試合時間の短縮による選手の負担軽減のため、2018年に甲子園を含むほぼすべての公式戦でタイブレークの適用が始まり、延長12回を終えて同点の場合、13回からタイブレークに突入した。無死一二塁から開始。2021年には決勝戦にもタイブレークを適用しています。

2023年からは延長10回から同点の場合タイブレークが開始され、13回→10回とタイブレークの適用が早くなりました。無死一二塁から開始。

大学野球

2011年の全日本大学野球選手権大会から東日本大震災に伴う節電対策のためにタイブレークが導入された。(決勝を除く)9回を終えて同点の場合、延長10回より一死満塁から開始。東京六大学野球でも新人トーナメント大会など一部でタイブレークを適用。無死一・二塁から開始。(決勝・3位決定戦を除く)

東都大学野球では2019年秋季リーグ戦より延長10回より適用されました。無死一・二塁から開始。

2020年は前述の新型コロナウイルスの流感対策として、多くのリーグ戦で延長10回からタイブレークを適用し、延長10回以後、無死一・二塁から開始するところが多い。

社会人野球

2003年からタイブレークが導入され様々な運用方法の見直しが進み2018年には延長12回以降にタイブレークが適用されました。(準決勝と決勝については、延長12回以降でなおかつ試合開始から5時間を超えた場合に適用)無死一二塁から開始。

MLB

アメリカメジャーリーグMLBの場合、2019年までは日本のように延長打ち切りの引き分けはなく、決着がつくまで延長無制限でしたが、2020年には新型コロナウイルス蔓延防止のためポストシーズンを除く公式戦でタイブレークが導入されました。無死二塁から開始。2023年にはルールが恒久化されました。

メリットとデメリット

メリット

・試合時間の短縮

例えばプロ野球の場合、延長12回で4時間ゲームや長ければ5時間ゲームもあります。2000年までは最大延長15回まで行われていましたので平均的には時間短縮はされてきましたが、タイブレークを導入した場合は、さらに時間短縮ができると見込まれます。

・選手負担の軽減

プロ野球選手は2月のオープン戦から11月まで日本シリーズまで年間143試合を行います。クライマックスシリーズ、日本シリーズを加えればさらに試合数が増えますので、試合時間短縮されればその分選手の負担も単純に減ります。

・決着がついて勝ち負けがはっきりする

野球場やテレビで観戦しているファンからすれば勝ち負けがはっきりして見ていて楽しいかもしれません。ただ現在のプロ野球の制度では勝利と敗北の間に引き分けがあり、コアなファンの中には「無死一塁二塁など無理やり得点の入りやすい状況を作り出すのは逆に面白くない」という意見もありメリットであるとともにデメリットでもあります。

デメリット

・戦術戦略の変更を余儀なくされ現場が混乱する

阪神タイガースの岡田監督は2023年1月の12球団監督会議で「引き分けも戦術のうち。(ペナントレースは)勝率の勝負だから。もし、やるなら、プロとして何かもっとすごいことを考えた方がいい」と導入に反対しています。

・決着がついて勝ち負けがはっきりする

メリットのところで述べましたが、オールドファンやコアなファンからしてみたら引き分け試合も見ていて楽しいと思う方も中にはいらっしゃいます。

最後に

タイブレークの導入で試合時間が短縮されれば、昔、福本豊さんが言っていた「加古川より向こうの人、帰られへんね」はなくなるかもしれません(笑)。毎年、野球のルールも少しつづ変わっていきます。今後MLBで採用されてる「ピッチクロック」なども導入されるかもしれません。野球のルールをしっかり確認して野球観戦を楽しみたいですね。

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